浅学

 こんにちは.少し間が空いてしまいました.
 さて,ヴァリアン先生のペーパーを読んだ,と以前申し上げましたが,その折,身近な事柄から疑問を抱いて定式化するという作業をもっと真剣に考えねばならないなあ……と強く感じたのでした.前は,数式の部分の精緻化ばかり読み取っていて,アイディア段階の部分を(読んではいたけれど)しっかり理解していなかったなと.行動は文脈に依存するのであれば,そのアノマリーの蓄積たる歴史をみて,そこからどのようにモデリングしているか,について,私はもっと注意をむけるべきだったのです*1
 実験のアイディアを練る段になると,そのおもいは益々強くなるばかり.
 そこで,自身が日本史好きであることにかんがみ,岡崎先生の歴史制度分析の本を読みはじめたのです(小熊さんの『1968』も同様の理由で読んでおります.おもしろいです.).
 はるか先を歩かれている方にとっては,こんな初歩的なことをいまさら…!とおもわれるかと存じますが,私にとっては大きな一歩.まだまだ勉強が足りませんが,あらためて,理解する喜び,世界が開ける楽しみをかみしめているところです.
 精進あるのみ,なのです.がんばります.それでは.

*1:リチャード・セイラー先生は,のちにベストセラーとなる本を執筆された動機について,あるアノマリーが特殊事例でない可能性があるので,その結果を蓄積するためにまとめたのだとおっしゃっていました.セイラー先生の本を参照.